こんな方に向けて記事を書いている
「PNFの研修に参加してみようかなぁ」
「PNFって有名だけど行って意味あるかなぁ」
「参加費高いし、研修日時も長いなぁ」
そんな風に悩んでいる方の背中を押そうと思い、この記事を書いています。
この記事を読むとどうなる?
この記事を読むとPNFを学ぶメリットと、参加する際のデメリットを知ることができます。
今回お伝えするのは国際PNF協会が開催しているIPNFA認定コースのことです。
はっきり言ってメリットが非常に大きいので、私としてはできれば全てのPT・OTが参加した方が良いと思います。
いや、もはや1000%参加するべきと考えています。
おすすめする理由
参加するメリットは山ほどありますが、厳選して3つお伝えします。
- 日々の臨床が楽しくなる
- 動作観察がびっくりするぐらいできるようになる
- 人生が豊かになる
①臨床が楽しくなる
5日間×2回という集中的な研修で様々なテクニックやパターン、促通するための方法を学びます。
その結果、尋常じゃ無いほど臨床中の引き出しが増えます。
万全の準備をして臨床に臨んだ際に患者さんから
「痛い!」
とか
「これはできないわよ」
って言われませんか?
そう言われた際に「じゃあこれならどう?」と、次から次にアイデアが出るようになり多少のイレギュラーが起きても困らなくなります。
②動作観察がびっくりするぐらいできるようになる
PNFといえば多くの方がパターンを想像するのではないでしょうか?
しかしパターンは能力を引き出すための手段の一つに過ぎません。
パターンは上肢・下肢・体幹にそれぞれあり、それらは3次元の動きで作られています。
例えば肩甲骨の後方下制(下制・内転・下方回旋)、下肢の屈曲・内転・外旋など。
10日間も集中的に3次元の関節運動で動作を表現する練習を続けると、患者さんの動作中におきる異常なパターンが、「あれ?」と思うくらい見つけられるようになっていました。
一緒に研修に参加している受講生から「職場で結果を出している人はPNFをやっていることが多い」と聞くことがよくあります。
私の職場でもめちゃくちゃ結果を出している先輩は、PNFをガッツリ学んでいる方が多いです。
これはおそらく、全身の動きのパターンを3次元で見ることができるため、正確に評価がしやすいからではないかと考えています。
特に、私の場合だけかもしれませんが、単関節の細かい異常パターンを見つけられるようになったというよりは、全身を見た際のざっくりとした異常パターンが見つけられるようになりました。
細かくどの筋がどう働くかよりは、異常パターンの逆の動きを促通して、正常パターンに近づける、という文章にするとざっくりとした表現になるような意識で介入して運動療法の成果が出るようになりました。
ちなみに余談ですが、私がIPNFAの研修に参加した理由は、尊敬できる職場のお師匠から「尾澤は運動療法できなさすぎるから、すぐにPNF行ってこい」と言われたからです。笑
素直に行ってみて本当に良かったです。
③人生が豊かになる
これからPNFを学ぶかもしれない方、すでに学んでいる方ならびに指導されている立場の方、
「こいつ何言ってんだ?」
と思われましたら、本当に申し訳ございません。
あくまで私の勝手な一意見です。
PNFのコンセプトの中で私が最も好きな哲学に
ポジティブ・アプローチ
というものがあります。
おそらく医療従事者のあなたは患者さんだけでなく後輩・先輩の問題点を見つけるのが得意ではありませんか?
私は実習生の頃からICFの問題点、特に悪い項目を見つけてばかりでした。
しかし、ポジティブ・アプローチの考え方を学んでから、患者さんだけでなくいろんな人の良い点に目を向けることができるようになりました。
良い点を見つけて、相手を承認するような視点が身に付くため、患者さんへの対応だけでなく後輩指導も広い心を持ってできるようになりました。
(まだまだ未熟者で揉めてしまうことはたまにありますが…)
患者さんに対しても「どうすれば、希望を叶えられるのか」を探せるようになりました。
私はポジティブ・アプローチの考えのもと、
「〇〇さんが一人で歩くためには〇〇ができることが必要です。そうしたら次は〇〇が必要です。そうすればだんだん歩けるようになっていきます。」
と常に説明すると、頑固な患者さんでも言うことを聞き入れてくださることが多くなりました。
以前、重度の片麻痺で高次脳機能障害が重く、誰もが歩くのは無理で、家では絶対に装具を外して転ぶだろうと思っていた患者さんがいました。
退院後はしっかりと指示に従って装具を着用し続けてくれ、最終的に退院後は屋外を杖で歩けるようになりました。
前向きになれるから理学療法が大好きだとおっしゃっていただき、診察のたびに良くなった姿を見せてくださり感動させられます。
周りは奇跡だと言っていましたが、私は絶対に出来ると患者さんと信じてリハビリができました。(もちろん多くの凄腕の上司から指導を受けて助けてもらいながら)
「論文では歩行獲得は困難というデータを鵜呑みにし、我々が諦めたら患者さんの人生を諦めることになるんだな」
「参考にしながらも我々が限界を設定してはいけないんだ」と感じました。
そんな気づきをPNFのポジティブ・アプローチから学びました。
研修参加前後の自分の変化
参加する前は患者さんにリハビリを行う際に怖くて仕方がなかったです。
歩行などの動作を見ても、何をしたら良いのかがすぐにわからず、とりあえずもみもみとマッサージを始めていました。
幸い私はIPNFA研修参加前から多少徒手療法ができたため、患者さんを少しはよくすることができていました。
しかし、運動療法をやろうとすると筋トレ以外の選択肢がなく、明確な運動療法の組み立て方がわからず、常に負い目を感じていました。
研修に参加した後は、明確に
「今日はどの動作を良くするためにこの関節のこの動きを促通しよう!」
という、介入時の具体的な目標が立てられるようになり、
介入後は患者さんから「先生、歩きやすいです」と言われるようになり、
「狙い通り良くなった!患者さんも実感してくれている!嬉しい♪」と変化しました。
はっきり言って仕事が楽しくなりました。
政府が進める働きかた改革よりはるかに改革されました。笑
はっきり言って13万円の参加費は格安と思いました。
興味を持ったらどこから申し込めば良い?
もしPNFに興味を持ったら、興味を持ったこの機会に申し込んでしまうことをお勧めします。
コースを行なっている施設・サイトを紹介しておきます。
- アジアのPNF第一人者でシニアインストラクター市川繁之先生の「ヒューマン コンディショニングPNFセンター」(東京:飯田橋)
- IPNFAアドバンスインストラクターの松田現先生の「GEN ACADEMY」(東京:水道橋)私が最初に参加したのも松田先生のコースでした。勝手に師匠と仰いでいます。優しくて熱い先生で、常にどうすればより良くPNFを指導できるかを考えているのが伝わってきて、教えかたがとてもわかりやすいです。
- IPNFAインストラクターで上田法の国際インストラクター勝浪省三先生の「Groovy」(沖縄などで開催することが多い)
- IPNFAアシスタントインストラクター大森崇史先生の「ホワイト・デール」(鳥取:米子)ホワイトデールでは現在ベーシックコースの開催予定はありませんが、その他の企画セミナーが本当に興味をそそられるものばかり。関西や四国地方の方が羨ましい!大森先生は中枢神経疾患に強いPNFセラピストの育成のために、指導してくださいます。
コースは結構人気なのですぐに埋まることが多いです。
5日連続×2回(1ヶ月間隔)の休みが必要なので、職場に許可をとることは必須です。
料金も13万円〜15万円かかり高額ですので、すぐに申し込むのは怖いという方は、
松田現先生のGEN ACADEMYで2020年12月5日(土)6日(日)
20,000円で導入編のインフォメーションセミナーもやっています。
これに参加した後にコースに参加するとコース料金が1万円割引になるようです。
記事を書いている段階では残りの定員が2名だったので、埋まっちゃっていたらごめんなさい。
市川先生の「ヒューマン コンディショニングPNFセンター」でも入門編のPNF Introductionが行われていることがあります。
それでもお金払いたくないという方は、本を読んでみるか、動画を見てみて様子を見るのが良いと思います。
私は世に出ている動画と書籍は相当な量を実際に買って試しているので、その中からわかりやすかったおすすめのものをいくつかご紹介します。
書籍
基本的には左側のPNFハンドブック(6,490円)がおすすめです。
2018年に現在の第4版が出たばかりでPNFの書籍では最新です(2020年6月時点)。
私が読んだ感想では、ベーシックコースで教わるほぼ全てが本の中に書いてあります。
カラー写真になっているし、パターンだけでなくマット動作や歩行も写真がとても分かりやすいです。
右の「PNF 基本的手技と機能的訓練」も市川先生が翻訳していて分かりやすく、ものすごく読み込んだ愛着のある1冊ですが、値段のことを考えるとハンドブックがあれば十分かなと思います(11,000円するので)。
動画
リハデミーは有名講師の今までの講義動画が多数あり、私もヘビーユーズしています。
今なら初回登録で2週間無料なのでちょっと試してみるにはおすすめです。
合わなかったらすぐに解約すればお金がかかりません。
(ちなみに、リハデミーから宣伝費などはもらっていませんのでご安心ください。)
- DVD
amazon 楽天 amazon 楽天
高齢者のためのとありますが、内容はPNFのパターンやテクニックの解説です。初学者にもわかりやすく説明してくれています。
1では様々な症例に対するPNFの使い方、
2の方では寝返り・起き上がりなど実際の動作に対するPNFの使い方です。
(ただ、両方とも13,000円くらいします…)
下に内容の一部を無料で見ることができるようにYouTubeの動画を載せておきました。
YouTube【高齢者のためのPNF2介護に役立つテクニック】
コースでは頭に入れることが多くて、頭から煙が出る可能性があります。(私は知恵熱が出ました)
参加する前に何度も見てイメトレしておくことで、コースでの学習効率が上がり、かなり余裕が出ます。
- YouTube:松田先生のPNFチャンネル
コースに参加した後の方には復習にとてもおすすめです。
本日の記事は以上です。
こんなに長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を見てPNFの講習会に参加したいと思ってくださり、多くのPT・OTの臨床力が向上して、一人でも多くの患者さんが良くなるといいなと思っています。
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