この記事を描こうと思った経緯
私は2017年に蒲田和芳先生のCSPTを受講し、こんなにすごいセミナーがあったのかと感嘆しました。
昨日ISR(組織間リリース)に関する記事を書き、
「ISRを受講する前にCSPTを受講しろ!」
と最後にえらそうに言いました(すみません)。
現在はCOVID-19の影響で、リラインコンセプトのセミナーはオンラインとなっており、私の職場の優秀でかわいい後輩が2人受講していますが、こんな不安を漏らしていました。
「自分たちがやっていることが合っているかわからないです。オンラインだと実技の指導が上手くできているか心配です。このまま続けた方がいいですかね?」
というものです。
私は、
「絶対に受け続けた方が良いよ」
と理由込みで伝えて、現在も受講し続けてくれています。
もしかしたら、全国で同じような悩みを抱えている方は多いのではないかと思いこの記事を書きました。
どんな方に向けて記事を書いている?
うちの後輩たちと同じように悩んでいて、現在受講しているけれど今後も受講し続けようか悩んでいる方。
先輩から「もっとしっかり足関節を見た方がいいよ」や「膝のアライメントが悪いからダメだね」と曖昧なフィードバックを受けるけれど、「どこを見てどう直せばいいの?」と途方に暮れている方。
患者さんの可動域を拡大させたり痛みを取り除けなくて悩んでいる方。
こんな方に向けて記事を書いています。
そもそもCSPTって何?
CSPT(クリニカルスポーツ理学療法)とは、全身の関節疾患の治療法を学ぶ全10回のセミナーシリーズです。
関節疾患の治療に携わるすべてのセラピスト、職種を対象としています。
部位別に理想的な関節運動を取り戻すための治療の考え方(設計図)とそれを実現するための治療法(技術)を習得できます。
CSPT2019では、スポーツ外傷・傷害に対するリハビリテーションを中心に、全身の関節のマルアライメントの修正・改善を確実に進める方法を講習いたします。
約50%の時間を実技に割き、次の日の臨床にすぐ生かすことのできる内容となっております。リアラインHPより引用
ちなみに、上のサイト内に「JLC予習用オンデマンド動画サービス」のリンクがあるのですが、6月21日現在アクセスできません。
おそらく、JLCオンデマンドで2017年の動画が消えており、2018年以降のものしか無いからだと思います。
興味がある方や予習したいけれど見られなくて困っていた方のためにリンクを貼っておきます。
クリニカルスポーツとありますが、私が思うに、ほぼ全ての整形疾患に適用できます。
というか、健常人でもアライメント異常をきたしている方は圧倒的に多いので、基本的に全ての方に対して適用できます。
結論:オンラインで受け続けるべき!
そもそもCSPTは徒手療法を完璧にしようというセミナーではなく、各関節の治療の設計図を知ろうというコンセプトのセミナーであると、私は勝手に考えています。
その設計図を知るのが若ければ若いほど良く、各関節に対する治療展開に困ることが少なくなるため、できるだけ早くその情報に触れておくべきだと考えます。
私は3年前に受講し、それから現在まで理学療法士として働いた印象は、ISRとCSPTは全PT・OT必須の研修にして欲しいと思っています。
何回も書いているのでうるせーと思われるかもしれませんが、私がどこかの施設のトップだったら、以前記事に書いたPNF1+2とPNF3、ISR、そして今回紹介するCSPTは新人研修として必須にすると思います。
オンラインをおすすめする理由
もちろん、会場でのセミナーに参加できれば、それに越したことは無いですが、オンラインでも受け続けるべき大きな理由があります。
それは主に以下の3つです。
- 地方の方でも参加できる。
- 配布資料だけで1回につき10万円以上の価値がある。
- 全身の関節の異常アライメントと理想的なアライメント、その治療法を知ることができる。
①地方の方でも参加しやすい
私は受けたい研修があると、遠いところでは鳥取あたりまで行くことがあります。
いつか記事にしようと思いますが鳥取のセミナーは結構アツいです。
交通費と宿泊費が結構かかるため、
「もっと近ければ…」
と思うことがよくあります。
CSPTは都市部で行われることが多いので、地方の方では移動が大変で足踏みしてしまうと思います。
オンラインであればそれが解決でき、移動費・宿泊費が節約できます。
Facebookを見ていると
「子供の面倒を見ながら参加できるから最高」
という意見が多く見られ、家庭のことをしながら参加できることもメリットの一つのようです。
②配布資料だけで1回につき10万円以上の価値がある。
私は毎年オンライン動画で確認していますが、毎年内容が更新されている上に、臨床上使える情報や技術が増えるため、本当にありがたいです。
Facebookの蒲田先生の記事を読むと感じる方も多いと思いますが、日々の臨床で試行錯誤しながら、使えるものを毎年アップデートしていってるのだと思います。
しかも、引用論文の数がめちゃくちゃ多いです。
リアラインコンセプトのセミナーを受講したことが無い方から、こんなことを言われてイラッとすることがあります。
「リアラインコンセプトって感覚的なものだよね〜。笑」
「はい、リリースきたー!エビデンス無いから意味ないよそれ!笑」
というものです。
コース内の資料では、他の研修と比べても圧倒的に引用文献が多く、少なくともそれだけでも患者さんや後輩・実習生に科学的なデータを説明する際に、とても役立ち、助かっています。
断じて、エビデンスを軽視してはいないと思います。
最近は超音波で視覚化・数値化しようとしており、徒手療法も客観的なものにしようとされています。
感覚的なものを重視したものではないと私は思っています。
毎年アップデートする資料に、あれだけのデータを持ってくるのは、どれだけの労力と時間がかかるのだろうと恐ろしく思うほどです。
③全身の関節の異常アライメントと理想的なアライメント、その治療法を知ることができる。
日々の臨床で圧倒的に困ることは
「関節を治療するために何を診れば良いの?」
そして
「どこを目指して介入すれば良いの?」
さらに
「どうやって治療したら良いの?」
だと思います。
私も以前は本当に困っていました。
自分で考えようとしても、そもそも考えるための知識が不足していたため考えることすらできず、お師匠からの指導に戦々恐々とした日々を送っていました。
CSPTでは上に書いた3つの悩みに対して明確な答えを示してくれました。
その答えを知ることで、応用が必要な症状に対しても自分で考えて治療展開できるようになりました。
答えを示してくれるだけでなく、自分で考えるための基礎を与えてくれました。
おかげでお師匠からの質問にも答えられるようになり、戦々恐々とした日々から脱却できました。笑
CSPT受講してどうなった?
患者さんの各関節の異常を見つけやすくなりました。
そして、先輩からの「もっとしっかり足関節を見た方がいいよ」や「膝のアライメントが悪いからダメだね」という指導の意味がわかるようになりました。
これはCSPTの研修の中で、生じやすい異常アライメントと求めるべき理想的なアライメントが明示され、それを理解できるようになったからです。
さらに、患者さんだけでなく健常な方の症状も取り除けるようになりました。
これは私が既にISRを受講したことがあったということも影響していますが、CSPTを受けた後から評価と治療につなげる技術が向上し、周囲のPT職員が何かの症状で困っている時は、その原因を見つけたり徒手的な介入で解決できるようになりました。
まだまだ未熟なので、治せないこともありますが、どちらかというと治せることの方が多いです。
自分の家族や大好きな人が困っている時も救えることが増え、本当に受講して良かったなと思います。
注意点
特に注意していただきたいことが3つあります。
- 予習した方が内容が頭に入りやすい
- 初めてなら、実技が完璧にはできるようにならないものという前提で受ける
- ISRを受けたほうがより治療効果が上がる
①予習した方が内容が頭に入りやすい
各関節の解剖・エビデンス・評価・治療(徒手療法・運動療法)をたった1日で行わなければならないため、内容は超濃密で、異常なほどのクオリティの高さです。
そのため、予習をしていない状態で受講すると情報量の多さから、居眠りをする危険性をはらんでいます。
それくらい内容が濃厚です。
今から私が初めてCSPTを受講するのであれば、JLCオンデマンドで前年の内容を1回視聴して、ある程度の内容を頭に入れます。
それから研修を受講し、今回アップグレードされた内容を頭に入れることに集中すること、そして実技の習得に集中すると思います。
次項でも書いていますが、なるべく実技に集中できる状態で臨むのが最も良いセミナーの受け方だと思います。
②初めてなら、実技は完璧にはできるようにならないものという前提で受ける。
これで挫折している方が多い印象があります。
何度も言うように座学・実技ともにクオリティが高すぎるため、よほどの天才でない限り、すぐに完璧には習得にできないのではと感じます。
講習に参加した後は、周りで暇そうにしている職員を見つけて練習することが必要です。
「マッサージしますよ〜」
って言えばだいたい喜んで被験者になってくれます。
できれば職場でペアを見つけて一緒に参加し、お互いで練習し合うのが良いと思います。
大変そうで面倒臭そうに感じたと思いますが、それを乗り越えた時には日々の臨床での疑問の多くが解消して楽しくなります。
そして何より、周りの大好きな人たちが痛みなどで困っていても救ってあげられるようになり、たくさんの人の役に立てるようになります。
③ISRを受けたほうがより治療効果が上がる
CSPTはセミナーの50%の時間を技術練習に使うとHPにあります。
しかし、技術(特に徒手療法)の習得にはそれよりもはるかに時間を要すると感じました。
ISRでは一つの関節につき3日間ほぼ全ての時間を徒手療法の練習にあてるため、恐ろしいほど自分の指先の感覚が研ぎ澄まされていくのがわかります。
そのため、CSPTを受けたらできる限りISRには参加した方が良いと思います。
冒頭でも書きましたが、3日間で約10万円の費用がかかるので、参加する前は高いと感じますが、参加した後は格安に感じます。
こればかりは受講した人間でないとわからないのが悔しいです。
職場で教えてくれるような同僚がいて練習場所に事足りない場合や、ISR以外に自身に確固たる徒手療法の技術がある方の場合は、無理に参加する必要はないと思います。
マリガンやメイトランド、カルテンボーンなど素晴らしい徒手療法はたくさんありますので。
CSPTに興味を持ったらどうするか。
こちらから研修情報をチェック。
現在は、Zoomのオンラインで受講できます。
私の職場では優秀な3年目の後輩が2人、CSPTをオンラインで受講しています。
受講のメリット
今回のオンライン化は実技の直接指導ができなくなりますが、逆にいくつものメリットが生じます。
1)全国どこでも受講できる
2)チャット機能で気軽に質問できる
3)実技ビデオの提出により、いろいろなエラーパターン(技術的誤り)を見ることができ、リアルセミナーよりもさらに多くのフィードバックを受けることができる。
4)受講料が大幅にお得(実質1/3に)
5)日程が合わない場合は、年度内何度でもYouTubeでセミナー動画を視聴可能リアラインHPより引用
もしくはJLCオンデマンドで見てみると良いです。
月額3,600円で蒲田先生のセミナーを見放題です。
他にも有名な先生がたくさん動画を出していますが、それぞれの先生ごとに月額いくらとなっているため、なるべくお金を使いたく無いのであれば1ヶ月の間に決まった先生のセミナーを一気に見るのが良いと思います。
プライベートほぼ全てを理学療法に捧げている者にのみ可能な荒技ですが。
CSPTは毎年内容が更新されるため、私は1ヶ月間は蒲田先生月間を作り、その1ヶ月間にまとめて動画を見て何が更新されているのかチェックしています。
いつかそれについて記事にしようと思っています。
まとめ
CSPTに参加しよう!
おすすめする理由
- 地方の方でも参加できる
- 配布資料だけで1回につき10万円以上の価値がある
- 全身の関節の異常アライメントと理想的なアライメント、その治療法を知ることができる
注意点
- 予習した方が内容が頭に入りやすい
- 初めてなら、実技が完璧にはできるようにならないものという前提で受ける
- ISRを受けたほうがより治療効果が上がる
興味を持ったらこちらからチェック
本日の記事は以上です。
こんなに長いのに最後まで読んでいただきありがとうございました。
実際に参加したことあるよ〜って人は感想を教えていただけると、みんなで共有して後輩などに勧める際の参考になると思うのでコメントいただけると嬉しいです。
[vkExUnit_ad area=after]