この記事を描こうと思った経緯
以前「ISR®(初級編)に参加した感想」という記事を書かせていただきました。
その続きです。
ISR®︎初級編に参加し手技を習得すると、その徒手療法の圧倒的な即時効果・持続効果によって、患者さんからゴッドハンドと言われるようになる快感に味をしめ、中級編に手を出したくなってしまいます。
私と、尊敬する職場の先輩は理学療法のことが好きすぎて、通常のPT・OTと明らかに感覚がずれているため、嬉々として様々な研修に足を運んでいます。
私とその先輩は、2018年に中級編が開始され始めた矢先に日程を調整して参加しました。
受講費は初級編と同じく3日間で約10万円でした。
その頃の私は若干金欠気味であったため迷いましたが、勇気を出してポチッと参加申し込みをしました。
受講当日は春先のやや蒸し暑い日で、先輩と一緒に両国の会場に向かいながらこんな話をしていました。
「いや〜、股関節だけで3日間10万円、1日で3万円以上ですか…意味ありますかね?」
「いや〜、本当だよね」
と。
参加した後はカラッとすっきりした天気に変わった中、こんな話をしていました。
「いや〜、3日間で10万円、安いですね。早く次のが受けたいですね。」
「いや〜、本当だね。勇気出して参加してよかったよね。初級編に出て正しく股関節触れていると思ってたけど甘かったね。」
ISR中級編参加しようか迷っている方の判断の材料の一つになればと思い私の感想を記事にしました。
どんな方に向けて記事を書いている?
「ISR初級編に参加した後で、よりスキルアップしたい」と思っている向上心の高い方。
「ISR中級編に参加したいけど、受講費が高すぎるなぁ。股関節だけでこの値段は参加する意味あるかなぁ」と思っている方。
自身の勤めている施設に股関節疾患の患者さんが多い方。
いつか開業して(最近は自称リハなんて言われていますが)自分の腕だけで稼ぎたいと思っている方。
こんな方に向けて記事を書いています。
ISR中級編って何?
「中級編」では、すでに組織間リリース(ISR)を修了された方、CSPTを受講されてリリースを実施できる方を対象とします。
最終的には、股関節の関節包と周囲の筋との間のリリースを完成させ、股関節の可動域制限を完全に解消することを目標とします。リアラインHPより引用
詳しくはこちらで確認できます。
ちなみに、コンセプトとして「参加後は大腿骨頭を360°触診できるようになる」という、3回しっかりと参加した方にしか訳がわからないことを言われて面食らいます。
私も参加前は「360°触診って何を言ってるんですか!」と思いました。
結論:ISR®︎中級編股関節、参加してとても良かった
私は参加してとても良かったと思いましたし、一緒に参加した先輩と2人で心から満足し、肩関節編や膝関節編も参加しようと計画を練っています。
私が参加した時は3回の講習で以下の内容を行いました。
- 第1回:理論と指の使い方の復習、股関節の解剖、前外側部のリリース
- 第2回:前部浅層、前部深層、骨頭前部の触診
- 第3回:上殿部、下殿部のリリース、骨頭360度の触診
詳細はリアラインHPをご覧ください。
良かったと思った理由
理由は以下の3つです。
- 資料がとにかく細かい
- 触診は資料以上に細かい
- 介入効果が大きい
①資料がとにかく細かい
股関節を360°触るために、1月ごとに1日ずつ、合計3日間、朝9時から夕方16時前後までみっちりリリース技術を磨きます。
そして、資料が具体的で、どこをどんなふうにリリースするかということが詳細に書いてあり、それを確認しながらリリース手技を進めていくため、股関節周囲の解剖に詳しくなります。
患者さんに介入をする際は資料を見ながら介入することは当然出来ないため、とても練習になります。
②触診は資料以上に細かい。
①の項目でも書いたように、資料を確認しながら手技を学べるのですが、そもそも資料に記載されている触り分ける組織がとにかく細かいです。
筋や坐骨神経だけでなく、皮神経や血管などまで触り分けてリリースする練習をします。
的確に触り分けるためにどれくらいの深さや強さで介入すべきかを指導していただけます。
そして、どのような反応が出れば正解・失敗かなども知ることができます。
私としては神経をつぶしている感覚というものを知ることができたことが最も良かったと思っています。
神経をつぶしてしまうと患者さんに対して、とんでもない苦痛を与えてしまい、しかも症状はよくならず、百害あって一理なしだと知ることができたからです。
そしてこれは、肩揉みなどでよく起こりやすそうで、知らないと患者さんや周りの人たちに不利益を与えてしまうリスクが怒るだろうと思い、とても怖いと感じました
③介入効果が大きい
保存療法や術後問わず、関節可動域を拡大させることが容易になりました。
特に人工骨頭置換術後の屈曲可動域が小さくて靴が履けない患者さんや、歩行時の立脚周期で股関節の伸展・内旋可動域が欲しい時に非常に役に立ちました。
また、私の婚約者が股関節唇損傷で手術しており、毎日仕事後は「脚が痺れた」や「お尻が痛い」と言うので、その諸症状の改善のためにも役立っています。
基本的に痛みを与えない手技なので、コンディショニング中に症状が改善されて眠ってしまうことが多いです。
ISR®︎中級編を受講するとどうなる?
①股関節周囲の解剖に詳しくなります。
リリースをするための細かい位置関係などを明確に知ることができました。
②股関節周囲の触診技術がものすごく向上します
「大腿骨頭360°つーるつる」と蒲田先生がおっしゃっていましたが、本当に触れるようになりました。
骨、関節包、靭帯、神経、筋などを細かく触りわけられるようになります。
③股関節周囲の治療効果が格段に上がります。
患者さんから感謝されるだけでなく、自分の愛する人の身体を守ってあげることができます。
これができるのはISR®︎の手技だけではないと思いますが、記事を書いていてあらためて理学療法士の仕事をしていて良かったなと感じます。
注意点
①サンダルを持っていこう。
現在はオンラインのみのため、この理由①は飛ばしていただいて構いません。
参加している方は医療関係者が多いためか、みんなすごく良いスニーカーを履いてきています。
リリースの練習は2人1組で交互に行うため、1人は机の上に臥位になる必要があります。
頻繁に靴を着脱するため、せっかくの良いスニーカーをかかとを踏んで履いている方がいたのでショックを受けました(私が見たのはニューバランスの名器992のかかとを踏んでしまているところ)。
そのため、着脱のしやすいサンダルやスリッパを持っていくことを推奨します。
②爪を切っておくべき
ISR®︎の手技は末節骨の先端を使うため爪の長さが末節骨より長いと爪が長いと、ペアの方の皮膚に爪がめりこんでしまい痛みを与えてしまうので、しっかり爪を切って表面はやすりで滑らかにしておく必要があります。
特に爪やすりは持っていない方が多いと思ういます。
近所の100均などでも売っているので買っておいた方が良いです。
③CSPTを受けていなければ、まずはCSPTを受講した方が良い。
以前も言いましたが、治療のゴールがわかっていないとリリースをする意味が薄れてしまうので、具体的なゴールを学んでおいた方が、より効果的にセミナーが受講できます。
それが厳しいようであればオンライン動画サービスを利用すると良いです。
もちろん、具体的に求めるアライメントをもう知っているよっていう方は無理にCSPTを受けずにISR中級編に参加しても問題ないと思います。
ISR®︎中級編に興味を持ったらどうするか。
こちらから研修情報をチェック。
現在、実技系の研修はすべてZoomのオンラインで受講できます。
私の職場では優秀な3年目の後輩が2人、CSPTをZoomオンラインで受講しています。
受講のメリット
今回のオンライン化は実技の直接指導ができなくなりますが、逆にいくつものメリットが生じます。
1)全国どこでも受講できる
2)チャット機能で気軽に質問できる
3)実技ビデオの提出により、いろいろなエラーパターン(技術的誤り)を見ることができ、リアルセミナーよりもさらに多くのフィードバックを受けることができる。
4)受講料が大幅にお得(実質1/3に)
5)日程が合わない場合は、年度内何度でもYouTubeでセミナー動画を視聴可能リアラインHPより引用
まとめ
結論
ISR®︎中級編股関節、参加してとても良かった!
良いと思った理由
- 資料がとにかく細かい
- 触診は資料以上に細かい。
- 介入効果が大きい
受講するとこうなる
①股関節周囲の解剖に詳しくなります。
②股関節周囲の触診技術がものすごく向上します
③股関節周囲の治療効果が格段に上がります。
注意点
- サンダルを持っていこう。(オンラインは関係なし)
- 爪を切っておこう。
- CSPTを受けていなければ、まずはCSPTを受講した方が良い。(もしくはJLCオンデマンド)
興味を持ったらこちらから詳細を調べてみて
最後に
私は、自分で体験したセミナーを中心に紹介していますが、基本的にセミナーを紹介していくらもらうというような利益相反はありません。
なるべく中立的に記事を書こうと思ってはいますが、良かったものは良かったと熱が入ってしまう癖があります。
なるべく記事を読んでいただいた方にわかりやすいようにリンクを貼っておきますので、私の感想はあくまで一個人の感想とし、最終的な判断は実際のサイトを見た上でご自身で判断していただけると幸いです。
私としては、できたら参加していただけるといいなと思っています。
そして、いつの日か本当に腕のあるPT・OTがそれに見合った評価と収入が得られるようになると良いなと願っています。
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